こばやし医院では、潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患:IBD)の患者様に専門的な外来診療を行っています。JAK阻害剤・生物学的製剤を含む薬物療法も行っています。
IBDは、現時点で「治癒」という状態にはならず、病勢を抑えた状態「寛解」を目指します。寛解して、それをいかに長く保つか=「寛解維持」が治療の軸になります。診察のたびに処方を受け取るだけでなく、「今の病気の状態が実際にどうなっているか」を定期的に確認しながら、必要に応じて治療を調整していくことが大切です。
IBDではないかとご心配な方も、IBDと診断され治療について不安に感じている方も、まずはご相談ください。
こんな方へ
- 診断を受けたばかりで、病気のことをもっと理解したい方
- 今の治療が自分に合っているか確認したい方
- 大きな病院への通院が負担になってきた方
- 仕事・学校・育児と治療を両立させたい方
- 転居に伴い、IBDに関して相談できる医療機関をお探しの方
こばやし医院でできること
薬物療法の継続管理
治療の開始・変更・増量のタイミングは、検査データと症状を総合して判断します。一つの薬が合わなければ、選択肢の中から次の手を一緒に考えます。(※生物学的製剤・JAK阻害剤の導入に際しては、事前の感染症スクリーニングを行います。)
定期検査による粘膜の状態確認
症状がない時期でも、腸の中では炎症が続いていることがあります。外見だけでは判断できない「腸の中の状態」を定期的に確認するため、血液検査(炎症マーカー・栄養状態・貧血・薬剤の影響確認)と大腸内視鏡検査(粘膜治癒の確認)を組み合わせています。数値と画像とともに総合的に判断することを大切にしています。
栄養療法・食事指導(クローン病)
クローン病では、薬物療法と並んで栄養療法が重要な役割を担います。病変の部位や活動性に応じて、成分栄養剤(エレンタール)を使用します。
連携医療機関への紹介
寛解導入困難・寛解維持が不十分で治療変更や入院が必要な場合、外科的治療(手術)の検討が必要な場合、妊娠・出産に関わる管理が必要な場合には、当院からスムーズに専門医療機関へご紹介します。
連携先
久留米大学病院(消化器内科)、くるめ病院
これらの医療機関との連携により、高度な専門治療や入院加療が必要な状況にも対応できます。
ご紹介・ご連携の先生方へ
当院では2026年現在、潰瘍性大腸炎25名・クローン病4名のIBD患者様を担当しており、JAK阻害剤・生物学的製剤を含む薬物療法も継続的に行っております。病状が安定している時期の定期フォローのほか、新規導入後の管理移行のご相談にも対応しております。ご紹介・ご連携のご相談はお電話またはFAXにてお気軽にお問い合わせください。
対象疾患
潰瘍性大腸炎(UC)
大腸の粘膜に炎症が生じ、下痢・血便・腹痛が繰り返される病気です。国の指定難病に分類されています。症状の出方(重症度・範囲)は人によって大きく異なり、軽症の方は内服薬でコントロールできますが、中等症以上では治療の選択肢を検討する必要があります。寛解しても再燃リスクはあります。「調子がいいから受診しなくていい」ではなく、寛解維持するための定期的なフォローが長期的な予後に影響します。
クローン病(CD)
口から肛門まで、消化管のあらゆる箇所に炎症が起きる可能性がある病気です。腹痛・下痢・発熱・体重減少が主な症状で、痔瘻など肛門周囲の病変がきっかけで発見されることもあります。炎症の部位や範囲によって必要な治療が異なるため、画像検査で定期的に把握することが治療方針の精度を高めます。潰瘍性大腸炎と違い小腸に炎症を伴うため、栄養療法も重要になります。
潰瘍性大腸炎の内科治療 一覧表
こばやし医院では、以下の薬剤・治療法に対応しています。状態・重症度・生活背景をもとに、最適な治療を一緒に検討します。
【記号の見方】〇 適応あり/× 適応なし/△ 条件付き・限定的
「導入」=寛解導入療法(活動期の炎症を抑える段階)/「維持」=寛解維持療法(症状が落ち着いた状態を保つ段階)
【経口薬】内服で治療できる薬剤
| カテゴリー | 一般名(代表例) | 代表的な商品名 | 投与経路 | 導入 | 維持 | 備考・特徴 |
| 5-ASA製剤 | メサラジン 等 | リアルダ、アサコール、ペンタサ 等 | 経口 | 〇 | 〇 | 治療の基本薬。注腸・坐薬との併用で直腸病変にも有効。 |
| ステロイド(全身性) | プレドニゾロン 等 | プレドニン 等 | 経口/点滴 | 〇 | × | 強力だが副作用のため長期使用は不可。導入のみ使用。 |
| ステロイド(腸管標的型) | ブデソニド | コレチメント | 経口 | 〇 | × | 大腸で直接作用するため全身性副作用が抑えられる。 |
| 免疫調節剤 | アザチオプリン 等 | イムラン、アザニン 等 | 経口 | △ | 〇 | ステロイド離脱・維持療法の主軸。効果発現に2〜3か月要する。 |
| JAK阻害剤 | フィルゴチニブ | ジセレカ | 経口 | 〇 | 〇 | JAK1選択的阻害剤。帯状疱疹リスクが比較的低い可能性。 |
| ウパダシチニブ | リンヴォック | 経口 | 〇 | 〇 | JAK1選択的阻害剤。中等症〜重症に有効。 |
| トファシチニブ | ゼルヤンツ | 経口 | 〇 | 〇 | pan-JAK阻害剤。高用量は血栓リスクに注意。 |
| S1P受容体調節薬 | オザニモド、エトラシモド 等 | ゼポシア、ベルシピ 等 | 経口 | 〇 | 〇 | 新しい機序の経口薬。投与前に心機能・眼科チェックが必要。 |
| α4阻害剤 | カロテグラストメチル | カログラ | 経口 | 〇 | △ | 維持療法の適応追加(最長24週)。経口の腸管選択的薬剤。 |
【注射・点滴薬】医療機関での投与が必要な薬剤(生物学的製剤)
| カテゴリー | 一般名(代表例) | 代表的な商品名 | 投与経路 | 導入 | 維持 | 備考・特徴 |
| TNFα阻害剤 | インフリキシマブ 等 | レミケード、ヒュミラ、シンポニー 等 | 点滴/注射 | 〇 | 〇 | 最も使用実績が豊富な生物学的製剤。自己注射可能な製剤もあり。 |
| IL-12/23阻害剤(p40) | ウステキヌマブ | ステラーラ | 点滴/注射 | 〇 | 〇 | p40を標的とする。安全性と持続性のバランスに優れる。 |
| IL-23阻害剤(p19) | グセルクマブ | トレムフィア | 点滴/注射 | 〇 | 〇 | p19を選択的に阻害。高い有効性と安全性が期待される新薬。 |
| ミリキズマブ | オンボー | 点滴/注射 | 〇 | 〇 |
| リサンキズマブ | スキリージ | 点滴/注射 | 〇 | 〇 |
| α4β7阻害剤 | ベドリズマブ | エンタイビオ | 点滴/注射 | 〇 | 〇 | 腸管選択的作用で全身性免疫抑制が少ない。妊娠中の使用も比較的安全。 |
※本表は2026年4月時点の日本国内承認状況をもとに作成しています。承認状況・適応は変更される場合があります。最新情報は各薬剤の添付文書・ガイドラインをご参照ください。
難病医療費助成制度について
潰瘍性大腸炎・クローン病はいずれも国の指定難病であり、一定の条件を満たす方は医療費の自己負担が軽減される「難病医療費助成制度」を利用できます。
- 申請先:居住地の保健所
- 当院では、申請に必要な「診断書(臨床調査個人票)」の作成に対応しています
- 更新についても対応します
※助成が受けられる基準(重症度・病状)や自己負担上限額は、病状や所得によって異なります。詳細は保健所または当院窓口にてご確認ください。
よくある質問
- 大きな病院ではなく、こばやし医院で診てもらえますか?
- 病状が安定している時期は、今治療をしている主治医の先生のご紹介・情報共有のうえで、当院での継続管理が可能です。入院や高度な専門治療が必要と判断した場合には、久留米大学病院、くるめ病院等へご紹介します。
- 生物学的製剤やJAK阻害剤は怖い薬ですか?
- 免疫を介した作用があるため、感染症リスクなどの副作用への注意は必要です。一方で、従来の薬では改善できなかった腸の炎症を制御できるようになった薬でもあります。導入前に十分な説明をうけていただき、感染症のスクリーニングを行い、適切に使えば怖いわけではありません。
- 症状がなくなったら薬をやめてもいいですか?
- 自己判断での中断はお勧めできません。IBDは症状が消えても腸の中の炎症が続いていることがあり、薬をやめることで再燃するリスクがあります。減薬・中止を検討する際は、内視鏡や血液検査で腸の状態を確認した上で、一緒に判断します。
- 妊娠・出産への影響はありますか?
- 薬の種類によっては、妊娠中・授乳中の使用に制限があるものがあります。妊娠を希望する場合や妊娠が判明した場合は、必ず早めにご相談ください。病状が安定していることが、妊娠経過にとっても重要です。必要に応じて産婦人科の先生と連携します。
- 転院・紹介状なしで来てもいいですか?
- はい、初診の際に紹介状がなくても受診いただけます。ただし、以前に他院で治療を受けていた場合は、過去の検査結果や薬の記録をお持ちいただくと、状況の把握がスムーズになります。
炎症性腸疾患(IBD)外来の流れ
1. 初診(ご予約)
IBDのお悩みは、内科外来で受け付けます。WEBサイトからご予約ください(WEB予約は24時間受付)。初診の際に紹介状がない場合でも受診いただけます。可能であれば、過去の検査結果や紹介状をお持ちください。
2. 問診・診察・検査
症状の確認・これまでの治療歴のヒアリングを行います。血液検査・便検査を行います。大腸カメラが必要と判断した場合は別日程で予約します。
3. 結果・方針説明
検査結果をもとに、現状の評価と今後の治療方針をご説明します。
4. 定期フォロー
1〜2か月ごとの受診を基本とします。病状に変化があれば随時ご相談ください。